セルフ人体実験録

言うほど実験ではない

突然の五十肩vs俺

ある冷夏、雨の続いていた頃、母親が突然五十肩を訴えた。腕が90度以上上がらず、上げようとすると鋭い痛みが出る。

「四十肩なっちゃった! 治して!」

「五十肩ね! オッケー!」

無意識だったが悪いことしたかもしれない。でも実際五十代だし……

私はこれでダメだったらすぐお医者にかかってね、と約束した上で教科書片手に練習兼実験にかかった。

よくよく話を聞くと、冷たい雨の中をスクーターで激走してきたらしい。教科書には冷えによる急性の五十肩について記載がある。これだ。

まず尺沢に刺鍼。そしてめちゃくちゃに雀啄する。めちゃくちゃ痛がられるが、母は痛みに強いというか強めのツボ押し・鍼刺激を好むのであんまり気にしなかった。後で聞いたら結構ガチで痛がってたらしい。すまんかった。

また、小腸経の肩甲骨周囲の経穴にせんねん灸を据え、肌表面が温まるまで繰り返す。

これで痛みが軽減し、腕の動きも可動域ほとんどいっぱいにまで改善した。

尺沢に火を使わないお灸太陽を貼り、よくお風呂に入ってあたたまり、その後もあたたかくして過ごすように言い含めて、実験成功。

 

次の日、また冷たい雨が降り、母はまたスクーターで激走し、また五十肩になった。バカ!

(再び小腸経に灸を据えて改善し、その後は雨も止んで五十肩も再発しないまま数年経つ)

 

火を使わないお灸太陽は、500円玉より一回り大きいくらいの、マイクロカイロみたいな物体。名前の通り火を使わず、またお灸と違い優しい刺激を数時間にわたって与えられる。ゆっくり温めたい時に最適。購入に資格は必要ない。ちょっと高いが、とてもおすすめ。