マグネシウムオイル(オイルだとは言っていない)
マグネシウムオイル。あるいはマグネシウム風呂。それは健康法に敏感なアカウントの間でまことしやかに囁かれる魔法である。ちなみにオイルでは全然ない。塩化マグネシウム水溶液、まあにがりみたいなもんである。質感がトロッとしてるのでオイルと呼んでいるらしい。いいのかそれは。
曰く、花粉症でグズグズの鼻がすっと通る。曰く、しつこいアトピーが軽減する。曰く、偏頭痛も治してしまう。エトセトラエトセトラ。効能めちゃくちゃあるみたい。
ス、スゲー!(以上の症状全てに悩まされてる人間の感想)
その時はTwitterでマグネシウムオイルについて見かけたのだが、好きなアカウントさんがマグネシウムオイルの凄さについて語っておられたり、パブサかけてもいいことしか書いてなかったり、ググっても医者のブログがひっかかったりと、情報の信頼度も高いかもしれない……と思えるものだった。
私は少し悩んだものの、結局楽天で食品添加物のマグネシウムを500g購入。1200円也。
マグネシウムオイルの作り方については探し方が悪いのか見つからず。参考にしたアカウントが高濃度を勧めていたので、煮沸した水道水の湯冷しにひたすら塩化マグネシウムを入れて飽和水溶液を作る。また、その日の風呂にもひとつかみ投入。
まず、風呂は悪くなかった。入浴後、海の近くの温泉に浸かった時のような保温効果を実感できた。無機塩類は蛋白質と結合して膜を形成し保温効果を発揮して湯冷めを防ぐ、いう話を聞いたことがある。今ググったら複数の入浴剤製造会社のサイトで確認できた。
しかし肝心の対アトピーは効果なし。当時肌はかなり乾燥し荒れていたが、保湿・消炎効果は感じられなかった。まあこれは続けないとわからないかな、ということで実験は次のフェーズへ。
ちょうど偏頭痛が出ていたため、早速先ほど作ったマグネシウムオイルを頭皮へ噴霧してみることに。頭皮に吹きかけることで不足しているマグネシウムを経皮吸収して云々って書いてあったので。
これが最悪だった。というのも、アトピーでボロボロなのは頭皮も例外ではないのである。無数の傷口に塩化マグネシウムの飽和水溶液が死ぬほどしみる。私はのたうちまわり、偏頭痛は悪化した。
だが私は往生際悪く花粉症でグズグズの鼻にも試してみることにした。ちなみに、これらは全て同日の話である。なんで同日に皮膚炎と偏頭痛と花粉症発症してるんだろうな。
これは舌下投与、舌の下にワンプッシュして置くものであるため、傷にしみる心配もない。ただわかっていたことではあるが、非常に苦かった。そして、あれだけ健康意識の高いアカウントが絶賛していた、スーッと鼻が抜けるという現象も、起きなかった。
そう、惨敗である。
私はマグネシウムオイルに敗北したのだ。
まあ入浴剤にはならんでもないようだが、そもそも風呂釜を痛めるらしいし、アトピーには効果感じなかったし、保温されてもそろそろ暖かくなってくるし(当時は4月下旬)、というかあれだけマグネシウムオイルにコテンパンにされて、使いたい気持ちはすっかり失せてしまっていたのだ。
後には400グラム近い食品添加物の塩化マグネシウムだけが残った。
私は豆腐を作った。
あとレビューも書いた。
ていうか豆腐作りめちゃくちゃ難しかったです。これだけで記事できる。書けたら書きます。